筋肉とタバコの関係性について
筋トレに励むトレーニーの中には、タバコを吸っている方もいるでしょう。
もしかしたらかなりのヘヴィスモーカーの方もいるかもしれません。
ですが、タバコが筋トレに与える影響についてご存知でしょうか?
タバコには、お酒などと同じく、せっかく頑張ったトレーニングの効果が台無しになってしまう可能性もあるのです。
そこで今日は、タバコと筋トレの関係性を詳しく見ていきます。
これを読んで、タバコとの上手な付き合い方を理解しましょう。
お察しのとおり、タバコは筋トレに悪い影響をおよぼします。
いえ、筋トレというより、カラダの健康そのものにネガティブな作用を与えるんですね。
詳しく見ていきます。
持久力が低下する
肺がんに代表されるように、喫煙によって肺がダメージを受けます。
長期間の喫煙で機能低下した肺は、酸素を体内に取り込む能力が弱まり、持久力が下がってしまいます。
スタミナが低下すれば、ランニングやサイクリングなど、とくに長時間行うことで効果が得らる有酸素運動が続けにくくなってしまうでしょう。
テストステロンの分泌量が減る
通称「モテホルモン」と呼ばれるテストステロンは、男らしいカラダを作るのに不可欠な男性ホルモンの95%を構成する重要な体内物質です。
しかし実は、タバコを吸うことで、そのテストステロンはむしろ一時的にアップするとの研究結果が出ています。
では喫煙がテストステロンに好影響し、タバコを吸うことで筋肉も増大するかというと、もちろんそんなことはありません。
タバコでテストステロンは一時的に上がるものの、それ以上に、ニコチンによる害がカラダにダメージを与えてしまうからです。
タバコに含まれるニコチンには覚せい作用があるため、睡眠が浅くなりがちなのですが、テストステロンは良質な睡眠によって分泌量が増えることがわかっています。
そのため喫煙で睡眠の質が下がってしまうと、結果的にテストステロンも減ってしまうというわけです。
疲労回復が遅くなる
ニコチンは本当に厄介な物質で、睡眠の質が下がるだけでなく、血管を収縮させてしまう作用もあります。
血管が縮まると血のめぐりが停滞するため、全身の新陳代謝まで悪くなってしまいます。
そうなるとカラダの回復が遅くなり、筋トレの疲れが抜けにくくなります。
コンディションの不調はトレーニングのパフォーマンスに直結しますから、筋トレもはかどらなくなってしまうでしょう。
コルチゾール
聞きなれない言葉ですが、コルチゾールはホルモンの一種で、「ストレスホルモン」とも呼ばれています。
つまりカラダがストレスを感じているときに分泌されるホルモンで、タバコを吸うことで分泌されるようになります。
タバコは喫煙者にとってリラックスの手段のはずですが、実は体内ではストレスが増えているという恐ろしい話なんですね。
それでこのコルチゾール、なんとタンパク質を分解して糖質に変えてしまう作用があります。
せっかく筋トレで鍛えた筋肉を、直接糖分に分解してしまうわけです。
筋肉を愛するトレーニーにとって、これほど怖い存在はないのではないでしょうか。
ちなみにコルチゾールはアルコール摂取によっても分泌されます。
タバコとお酒は、やっぱりカラダに良くないということですね。
アルコールの影響が知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
脳にも影響がある
もう十分にタバコの怖さが伝わったことと思いますが、実はまだあります。
それは「脳」への影響です。
具体的には、大脳皮質という部位にダメージをおよぼすのです。
大脳皮質は、記憶・言語・認識といった認知機能をつかさどる部位なのですが、この大切な部分が喫煙によって薄くなってしまうという研究結果が出ています。
つまり喫煙によって、認知機能が低下し、認知症のリスクが増加してしまうのです。
認知機能は、カラダの筋肉と直接的には関係がありません。
ただ、筋トレに励む皆さんは、もちろん健康で充実した日常生活を送りたいと願っているはず。
その可能性を、タバコが奪いかねないというリスクは理解しておくべきでしょう。
臭い
ちょっと重たくなってしまったので、最後に軽めの話題を。
喫煙者は気にならないかもしれませんが、タバコの臭いは、やはり周囲からすると気になります。
あるアンケートによれば、女性の実に80%以上が「タバコの臭いには敏感」と答えたそうです。
たくましい肉体を目指すトレーニーのモチベーションの源泉に、「女性にモテたい」という思いはもちろんあることでしょう。
せっかく厳しいトレーニングをこなして立派な筋肉を手に入れても、タバコの臭いがしていては女性に敬遠されてしまうかもしれませんよ。
「タバコとアルコールはどちらが筋トレに悪いのか」という疑問もよくききますね。
結論としては「どちらも悪い」です。
アルコールがカラダに与えるデメリットは、だいたいタバコの場合と同じだと考えてよいでしょう。
テストステロンの分泌低下、ストレスホルモンの増加、タンパク質の分解、内臓への負担など飲酒にも様々な悪影響があるのです。
さらにお酒の場合、一緒におつまみを食べたり、脂っこい料理を食べるなど、脂肪がつきやすくなるケースが多くなります。
また、睡眠も浅くなってしまうため、筋肉にとってはできるだけご遠慮願いたいものといえます。
「お酒もタバコもほどほどに」、これが正しいスタンスかもしれません。
この記事はタバコと筋トレの関係を解説するもので、禁煙を訴えるという趣旨ではありません。
といっても、これだけタバコのデメリットをお伝えすると、「もうタバコはやめたい」と思う方もいるかもしれませんね。
そこで、禁煙をサポートするグッズをいくつか紹介させていただきます。
なお一人で禁煙に励むのが難しい場合は、医師の力を借りることをおすすめします。
現在は禁煙目的の診療でも保険が適用されますから、一度検討してみるのもいいと思いますよ。
ニコチネル パッチ
喫煙者がタバコを控えると、ストレスからイライラしてしまうものです。
このニコチネルは、そのイライラの抑制に効くニコチンパッチです。
早い話が、ニコチンを口ではなく皮膚から摂取するわけですね。
使用がカンタンであるのと、平均して2〜3ヶ月ほどで禁煙につながるといわれているので、気軽に試しやすいかもしれません。
まとめ
今日は、タバコと筋トレの関係性についてご紹介しました。
やっぱり、タバコは筋肉をはじめカラダや脳に良くないものなんですね。
長期的な健康のことを考えれば、キレイサッパリやめてしまうことがベストではあります。
ただ、タバコは喫煙する方にとっては大切なリラックスの手段でもありますよね。
ですから、むやみに禁煙を目指すのではなく、筋肉への影響を理解したうえでバランスをとっていけばいいのではないでしょうか。
このように書きましたが、筆者も週に3日ほど喫煙はします。